すると突然、視界が反転。

ベッドに押し倒された。


覆い被さる由良くんの目に涙はないけど、泣いている。


「なんでわかんねぇんだよ!」

「わからないよっ!」


わかりたいって思う。

わかろうとする努力はできる。


でも、私は大切な人を亡くしたことがないから……。


「由良くんの気持ち、きっと半分もわかってあげることができない。……なら私は、由良くんが捨てようとしているものを拾い上げていくしかないじゃない!」


私の腕を掴む由良くんの手がぐっと強くなる。


痛い。

そう思うのに、私の表情は変わらずまっすぐ由良くんを見つめる。


ふと、由良くんは目を閉じた。


再び開けたとき、その目には決意の色が宿っていた。



瞬間。私の唇に、由良くんの唇が落ちてくる。