中途半端に空いたシャッターからバイクが乱暴に入ってきた。


光を惑わす漆黒のバイク。

ヘルメットを被った男が運転するそれは、入口で止まる──ことなく突っ込んでくる。


「はぁ?」


ニタニタした笑いを浮かべていたアイジも、さすがに眉をひそめる。


引いたって構わない。

まるで暴走するかのようなバイクは男たちの間を縦横無尽に駆け回り、私の前で急停止。


「光莉!大丈夫か⁉」

「……由良くんっ」


助けに来てくれたのは、紛れもなく由良くんだった。


ヘルメットのシールドを上げて見せてくれた顔は酷く険しいけれど、恐怖の底から救ってくれる声が私を安心させてくれる。


由良くん……。

本当に来てくれた……。