どれくらい経っただろうか。


頬に熱を残し、手に血の感覚がなくなってきた頃。

男が2人、近づいてきて私の前でしゃがんだ。


「お前、本当に由良の女?」

「……?」


俯いた視線を少しだけ上げる。


「由良って絶対に女を作らなかったのに」

「しかも、こんな弱そうなやつ」

「……」

「自ら弱点を作ったようなもんだよな」


弱点……。


「……違います」

「ん?」

「私、由良くんとは付き合ってないです……」


それで解放されるとは思っていないけど、私が由良くんの足を引っ張っているのは確かだ。


「じゃあなんなの?」

「……わかりません」

「ま、どうでもいいや。由良にとってお前が弱みなのは変わりなさそうだし」