由良くんを巻き込んでいいのかと悩んだけど、一応話せば、由良くんは案外あっさり了承してくれた。


由良くんがいてくれるのは、正直、心強い。

だって、柊哉くんって暴走族なんだよね?


澄ちゃんがいるとは言え、恐れがあるのは否めない。



……あ、そういえば、柊哉くんが暴走族だということを由良くんに言ってなかった。


どんな相手にも恐れなどなさそうな由良くんだけど、前情報くらいはあった方がいいよね。


「由良くん、あのね」

「ここか?」


言葉が被った。


「何か言おうとした?」

「ううん、なんでもない。澄ちゃんたち、もういるみたいだから入ろっか」


ま、いっか。

どうせこの数分後には知ることになるのだから……。