「これからも困ったことがあったら、私のこと彼女だって言っていいよ」 補色──青を橙で塗り潰すように、私はあえて声を弾ませて言った。 ちらっと映った由良くんは、困惑しながらも口角に笑みを作っていた。 嘘でもいい。どんな理由でもいいから……。 由良くんの傍にいられるなら、嘘でも彼女になる。 私は、誰よりも滑稽で愚かなのかもしれない。