__「やっぱり僕、彼女のことが、好きなんだ」


その言葉を聞いてから、季節は2つも通り過ぎた。

その間も、朝陽の気持ちは、まだ彼女のそばにある。

いちいち「まだ好きなの?」なんて聞かなくても、毎日のため息でわかってしまう。

朝陽から久しぶりに「彼女」の話を聞いたのは、高校2年生になった始業式だった。

彼女と同じクラスになったという。

相変わらず話しかけることはないらしいけど、彼女を目で追い続けているようだ。

出席番号は去年と変わらず前後だということだし、朝陽のささやかな幸せは今年も続きそうだ。

ついでに「あいつ」こと、「かつみ」とも同じクラスになったそうだ。

それも朝陽は喜んでいた。

もちろん嬉しいとは言わないけど、口調から嬉しさが溢れていた。

そしてまた、季節がひとつ、またひとつと過ぎていった。