私「最後に紹介するのは、鉢かつぎ姫!」

沙月「聞いたことある?」

輝一「ううん、ない」

私「昔、大きな屋敷に美しい姫が住んでいた。だけど彼女の母親は重い病に倒れており、自分が亡くなった後の娘のことを心配してどうすればいいか観音様にお祈りをした」

輝一「娘思いのいいお母さんじゃん」

私「すると、観音様は「姫の頭に鉢を被すように」というお告げをくれたんだ」

沙月「えっ?観音様、適当すぎない?」

私「母親はその言葉を信じ、美しい姫の顔がすっぽりと覆われるような大きな鉢を被せ、亡くなった。そして母親の葬儀が終わった後、父親が娘が鉢を被っていることに気付いて取るように言う。だけど、娘がどれだけ外そうとしても鉢は取れず、家来が数人がかりで引っ張っても鉢は取れなかった」

輝一「いや父親、鉢の存在に気付くの遅すぎでしょ!」

沙月「鉢が取れないままなんて、気味悪がられてしまうんじゃないの?」