「ははっ、先輩のくせに僕より馬鹿だ」

教科書を開き、頭を抱える私を見て棗くんが言ったのだ


む、として棗くんを睨む

“先輩のくせに”って…


「ぁ………」

「えー、これは僕にも解けますよ」

「嘘!?なんで!?」

そんな暗号のような問題をなぜ解けるのだ…

そう言う意味を込めて棗くんに目を向ける


「ふはっ…」

「な……なんですか」

「いーえ、何でもないです」

今度はすぐにおさまり、にこ、と笑いかけられる