「タラ! ハッチを開ける! 上手く合わせられる?」
『あのネェ~今までおねえ様に不可能なことなんてあったー? まっかせなさーい!!』

 コクピットの無線機から応答し、あいつは真ん前の赤いボタンを押した。ハッチって出入り口と階段の反対側にある箱状の空間かな? あそこから入ってくるって、何で飛んできたのだろう?

「行こう、ユーシィ。もうタラなら大丈夫だから!」
「え? う、うん……」

 嬉しそうに席を立つラヴェルに促され後を追いかける。随分タラさんを信用してるのね? でもあの自信満々の返答なら、否応もなく信用出来るか。

「タラ、お帰り!」

 隔離された空間へ続く扉を押し開いて。目の前の白い視界の真ん中に、真っ赤な人影が現れた。その後ろには同じく真白い小型のグライダー。これで何処から飛んできたのだろう?

「ウーン! 元気だったー可愛い弟ちゃん!! って……あらやだ。随分毛先黒くなっちゃったわネェ~」
「んんっ!!」

 ラ、ラヴェル……!?