良く……分からない、分からない、分からない……。

 二人が戻る前にベッドに潜り込み、今一度天井をぼんやりと見詰めた。

 何を信じていいの? 全ては本当なの? 本当だとしても意味が分からない……とにかく一度頭を空っぽにしなくちゃ。きっとパズルは組み立てられない。

 まず……ラヴェルは今回の不時着ならぬ『訪問』前から、あたしのことを知っているみたいだった。でもあたしは彼を知らない……と思う。

 そしてあいつはあたしに出逢うきっかけが必要だったと言った。だから、わざと不時着……した? まぁそれはいいや。必要だったのは、あたしの確保。何故なら同行が一番安全だからと言う。いや、その前に……えと……何か引っ掛かった。そうだ、キスした理由。あたしの名前を訊かないで、どうしてキスしてあたしだと分かるの? あたしは今まで誰ともキスしたことなんてなかったのだから、あいつの記憶が……そ、その……感触とか覚えてるってことじゃあないわよね……??



 自分は……ユーシィに好かれることなんて、きっとないから。



 どうして勝手に断言するのよ。もちろん、あんな奴に惚れてやる可能性なんて、限りなくゼロに近いけれど。変な奴。どうせ好かれないから、ああやって契約解消ギリギリの行為を敢えて行なってるの? 何の為に? あたしを怒らせる為?? 何よ、それ。