「ラヴェル……貴方、昨夜またふざけたことでもしたのでしょう?」

 あたしとツパイが一通りの支度を終えた頃には、ラヴェルお得意の食事の準備も整い、三人中央のテーブルにて、静かな朝餉(あさげ)を始めた刹那、

「ふふ……バレた?」

 開口一番ツパイの推理はお見事で、あいつは参りましたと両手を上げた。

「そうでもしなかったら、こんなうら若き乙女が、砂埃付けたまま休む筈がないと思いまして。まったく……少しは自重してください」

 うら若き乙女って……あたしのこと?

「はいはい、ツパさま」

 こいつ、本当に反省してるのか?

 目の前で食事を進める二人に何も声を掛けられない状態で、あたしも黙々とフォークを動かしながら、瞬きの止まらない両目は右往左往していた。変なの……ツパイの見た目は子供なのに、言動がちっとも子供らしくない。

「ユスリハ、ラヴェルの手料理はお口に合っていますか?」
「は、はいっ」

 突然掛けられた質問に、思わず敬語で返してしまった。確かに……外見は弟でも、中身は父か兄みたいだ。