そうしてついにあたしは我が家へ帰ってきた。ツパイとタラとピータンとアイガーと……眠りから覚めないラヴェルと。

 あたしは彼が覚醒するまで、此処で世話をしたいと申し出た。ピータンも賛成し彼女も共に。

 ツパイは祖国を立て直さなければいけないからと、ヴェルへ戻ることを進言し、アイガーもそれに(なら)うことになった。

 タラはしばらくの間あたしの手伝いをしようかと尋ねてくれたけれど、ラヴェルとピータンという心強い同居者が出来た今、あたしは大丈夫と笑ってみせた。

 タラとツパイとアイガーがヴェルへ旅立ち一ヶ月半──二人と一匹の連名の手紙が舞い降りた。其処には未だヴェルがラヴェンダー・ジュエルの支配下に置かれていること・ロガールさんが戻ってきてくれて、何とか政府が立ち上がったこと、などが書かれていた。

 こんな遠い地で、眠り続ける宿主に(いだ)かれて、それでもジュエルはヴェルに力を注ぎ続けている。ジュエルは宿主の性格も受け継ぐのだろうか? それともジュエルがラヴェルを育て上げた? 彼らの頑固さには感心すらしてしまいそうだった。