「死ぬのは、そっちだ!!」

 ラヴェルの怒声にジュエルが反応した! 右眼から発せられる淡い紫の光の波。放射状に広がり、と共に、ウェスティがザイーダのような地獄の呻き声を天へと貫いた。

 右手に走る戦慄を何とか落ち着かせ、前へ突き出す!

 あたしがずっと放さずにいたナイフとラヴェルのソードは、ウェスティの腹部に埋め込まれた。同時に見える、苦しみの影の先にタラ。左足はもう立つのもやっとだろうに、彼女もレイピアをウェスティの背中に衝き立てていた。その尖端が彼の胸から垣間見えている。そして左脛と右肩先は、それぞれアイガーとピータンに噛みつかれていた。

 全員で……やったんだ──。

 タラとピータンと、ツパイの想いを抱えたアイガーと……そしてラヴェルと、ラヴェンダー・ジュエル。みんなで──七つの力で。七分の一に分けられた心の痛みは、きっと全ては侵食しない。同じ辛さは分け合えて癒されて、あたし達をきっと一つにしてくれる!

 ジュエルの光は朧げになり、瀕死となったウェスティの面差しを顕わにした。

 その長身がゆっくりと、左へ倒れ草の上に落ちた──。




○今回のラヴェンダーのみ、作者自身が購入し母に贈った物を撮影した画像です。
 鉢植えですが、ブーケ風でしたので*



      ◆第八章◆とどめを刺すのは、だあれ!? ──完──