「いい香り~!」
「ミルモはラヴェンダーが好きなの?」

 ツパイと三人で枝から穂を外しながら、ニコニコ顔のミルモを覗き込んだ。

「うん! だからパパとアタシはラヴェンダー畑を見に行ったの。今日のとこじゃなくて、もっと有名な遠い島。そこでママはあの唄を歌いながらラヴェンダーを摘んでいて、アタシはラヴェンダーの妖精さんが現れたのかと思ったんだ。ママがラヴェンダー色のワンピースを着て、沢山のラヴェンダーを抱えて、あの唄を歌ってたから」



「素敵ね! だからママはこっちに来ても、ラヴェンダー畑を見つけたのね」
「ママはパパとミルモのお家に住んでも、ラヴェンダーが近くにあるから嬉しいって笑ってた。おじいちゃんとおばあちゃんも一緒に引っ越してきて、近くに住んでるんだよ。ココなら香水の仕事が出来るからって……それで約束したの。「アタシにも、いつかね!」ってプレゼント」
「ラヴェンダーの香水ね……」

 ミルモは頷きながら押し黙ってしまった。フローラさんはその香水を作る前に襲われてしまったのだろうか?