「だ、大丈夫! それにその変な髪色見たら、ミルモ驚いちゃうからっ」

 慌てたあたしはつい語気を強めて拒絶していた。心配してくれてるのに……余計なお世話だと言わんばかりの噛みつきようだ。

「変な髪色……??」

 前髪を一束指で摘まんだ寄り目のラヴェル。あたしはその拗ねたような表情に、ついプッと吹き出していた。

「ラウル、心配は無用みたいヨ? ユスリハちゃん、ちゃんと笑う余裕があるから」
「あ……」

 やっぱり。タラも心配してくれていた。

「明日にはツパも起きる。きっと良い知恵を貸してくれるから、あんまり思い詰めないようにね」
「うん……ありがと」

 あたしは二人へ素直にお礼を言えていた。

 ミルモが心開けば、戦闘が始まる。あたしは常にそのことを懸念していた。同時にタラもラヴェルも自分の使命に向けて前進しながら、あたしのことを気遣ってくれている。

 きっと……仲間だから。家族だから。

「タラ~今夜のメニューはなぁに?」

 あたしはニッコリ笑って問い掛けた。明日の英気をこの楽しい時間から得る為に──。