「アナタは気にしなくてイイのヨー、これはこっちの問題なんだから。それより、ネ? 朝食の続きしまショ? ワタシお腹空いちゃった~」
「タラはどうして寝坊したんです? 一緒に食事したかったのに」

 ごめんなさい。一緒が良かったのは、二人きりが気まずかっただけだ。

「ん~昨日の二人の会話、盗み聞きしてたら何となく眠れなかっただけ」

 キッチンからケトルを持って戻ってきたタラは、そう言ってポットに湯を注いだ。それって、あのやり取りがタラまで悩ませてしまったのだろうか?

「ワタシにもあんな初々しい時期があったのかしら~なんて思ったら楽しくなっちゃって!」
「……へ?」

 ちょっと方向が違うのではないですか? タラお姉様??

「うっふ……実はツパイから聞いちゃったのヨネェ~」
「なっ、何を……?」

 何だか嫌な予感がする。

 タラは益々いやらしい視線を寄せて、あたしの耳元へ囁いた。

「ラウル、アナタと出逢ってすぐ、唇奪ったんでショ? 意外だわ~でもさすがワタシの可愛い弟ちゃん!」
「タ、タラ、それは……!」

 あたしは弁解の言葉を返す前に、独り興奮して盛り上がるタラの、豊満な谷間に息の根を止められていた──!!