「うん……気を付けるわ。ありがとう、ツパイ、本当に。そして……明日の朝、目覚めたツパイに会えるのを……楽しみにしている自分も、ちゃんといるから」

 あたしは心の中に出来た小さな(もや)を奥底にしまって、ニッコリと笑ってみせた。それは今は考えることじゃない。それは……それも、きっといつか分かるから。

『僕も元気なユスリハに会えるのを楽しみにしています。では……ピータン、ラヴェルの為にも頑張るのですよ』

 初めて掛けられたツパイの励ましに、ピータンは嬉しそうに飛膜を揺らした。

『どうか笑顔を忘れないでください。ご両親の為にも、貴女自身の為にも──』
「うん、ありがと」

 ちゃんと見極めてみせる。どちらが真実なのか。
 そして最後にツパイは言った。

『おやすみなさい』

 そうね。あたしも少しだけ眠ろう。ツパイに同じ挨拶を返して、あたしはピータンを懐に抱え、ベッドにしばし横になった──。



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