此処から先のツパイの声は、益々心を潰しながら絞り出すような、哀しみを(たた)えた色を見せた。

『ジュエルを手に入れたウェスティは……まず国を出ました。目的は、国外へ逃亡した民の……その内の「ジュエル継承者の種子」を根絶やしにすることでした。ユスリハ……大変申し上げにくいことなのですが……貴女のご両親は、ウェスティによって命を落としたのです。貴女の云う「化け物」──僕達はあれをザイーダと呼ぶのですが、あれは……ウェスティが生み出した生き物なのですよ──』
「……あっ……う、嘘……!!」

 結ばれた両拳は、広げられて口元を覆った。ツパイは……何を言っているの!? 命の恩人が……殺戮者だなんて……そんなの、有り得ないっ!!

「ツ、ツパイ……変な冗談はよして……や、やめてよ……んな訳ないでしょ? ね……ねぇ……嘘だって言って……ねぇ! そんなことって……あたし……信じないっ!!」
『ユスリハ……』

 あたしは知らず立ち上がっていた。父さんを……母さんを……誰が殺したって言ったの……? 誰が……ウェスティがっ!?