「どうして? どうやって?? いや、その前にまだ……ツパイが起きるのは明日でしょ!?」

 テーブルに移ったピータンは、まずは籠の中からはち切れそうなブルーベリーに齧りついた。その間にもツパイの答えは流れてくる。

『アイガーに起こしてもらいました。ですが実際には意識のみです。肉体はあのカプセルの中で眠っています。アイガーとは主従の関係を結べましたので、彼の見聞きしたことは全て伝えられました。そしてアイガーとピータンも……あのラヴェルが倒れた際に、共に看病をしたことで深い友好関係が構築されたので、今はアイガーの波長を利用して、ピータンの身体へ送り、音声に変換しているという状態です』
「は……あ……」

 分かったようなそうでないような感じではありながらも、あたしは何とか返事をしてみせた。

「あ! ねっ……二人も無事なの!?」

『はい、ご心配には及びません。傷一つ負うことなく着地出来ました。……ユスリハ、この時点でウェスティと遭遇するのは、こちらにとってはイレギュラーな事態でした。貴女を連れてきたことが影響しているのですが……ともかく状況が想定外となりましたので、貴女に全てをお話しなければなりません。長くなりますので一度しか言いませんから──集中出来ますね?』

 最後の言葉で、背筋にピリリと電流が走ったようだった。その問いに「うん」と頷く。けれどその前にどうしても謝りたかった。