「楽しみだな〜」

「そうだな」

 背の高い陸を見上げると、陸も私と目を合わせた。

「何だよ。人のことジロジロ見て」

「う、ううん。別にっ!」

 りのことがカッコイイから、つい見惚れてしまっただけだ。
 陸がカッコイイのが悪いんだよ。

「食べすぎない程度に食えよ」

「分かってるよ!」

「……お、もう七階か。早いな」

「う、うん。そうだね」

 エレベーターを降りてレストランの中へ入ると、陸はチケットをスタッフに見せる。

「あちら窓側の奥の席にどうぞ」

「ありがとうございます」

 陸の背中を見ながら後を着いていき、案内された席へと座る。 
 そして交互に、ビュッフェをお皿に盛り付けていく。
 
「今日は遠慮なく、好きなの食べろよ」

「ありがとう。……では、いただきます!」
 
 お皿の上に盛り付けたサラダなどの前菜を、私は一口食べた。
 
「んん!……美味しい!」

 なにこれ、ものすごく美味しい! 野菜もシャキシャキで、ドレッシングも濃厚で美味しい。
 これはたまらん……!

「本当に美味そうに食べるな、茉由は」

「そ、そう?」

「ああ。……でもそんなに美味そうに食べてくれると、茉由を連れてきて良かったと思うよ」

「そ……それは、どうも」