しばらくして着いた。


席に座ると、左横に可愛い男の子が居た。



いわゆるイケメンって感じの子。




そろそろ、準備しよーかな…


「………あ、消しゴム」



消しゴム忘れたーっ!!


最悪だ…


どーしよう、まだ入試は

始まってない。



「どーしよ…」



誰かに借りるって言っても

周りは、知らない子ばっかだし…




「あの、よかったら、これどーぞ」



声をかけられ、左をむくと

可愛い男の子が、消しゴムを私に

差し出していた。




「え、いーのっ?」



「いーよ、2個あるからさ」




男の子は、ニコッと笑ってみせた




それから入試が始まった。


少し横を見ると、男の子は

シャーペンの後ろについている

消しゴムを眺めてた。



その後ろについてる消しゴムは

むちゃくちゃ綺麗で、多分

使わないで、とっておいたんだろう。



あ…



嫌そうな顔をしながら

男の子は、シャーペンの消しゴムを使った。



むちゃくちゃ申し訳なかったけど


今さらの話だから、とりあえず

試験に集中した。