秋の肌寒い風が頬を、身体を
通り抜けていく毎日

最近は特に寒くなってきて
制服も長袖に衣替え

そろそろマフラーやコート必須かも!と
クローゼットから取り出し
いつでも着て行けるようにしておく



「うわ………今日計測の日じゃん」



こんな寒いのに、未だに体育は外
今日はグラウンドで100mのタイムテスト

これでグラウンドでの種目は終了

次から室内で球技になる

ようやく、寒いグラウンドでの体育は
来年の夏までさようならとなった



………嬉しくない、全く
私、別に体育好きじゃないし



体育にぼろくそ言いながら
学校への支度を整え
母に行ってきますと家を出る



今日、10月後半
私はずっと、1人の男性に恋をしている

玄関を出てすぐ向かいの家から
私服でトートバッグを肩にかけ
出てくる男性



私より2つ上の大学生のお兄さん
私は彼が好き



「おはよ!」


「ん、今日も朝はやいな」



私が声をかけるといつも
優しい笑みで返してくれる

好感度+100!



「学校まで気をつけて」



今日は朝から授業がある日だから
直ぐに車のエンジンをかけ
バイバイと私に手を振って行ってしまう

それに私も振り返す
車が見えなくなるまで



「あ〜っ、かっこいい………」



私はほんとに凄く彼が大好きだけど

多分、彼にとって私は
年下の妹みたいなものなんだろう………

まっ!母から恋は押したもん勝ちって
言われてきたから今は妹でも
いつか全然に彼女になってみせる!



「またなんか一人で妄想してる」



私がよしっ!と
思いっきりガッツポーズしているところを
後ろから来た幼なじみに見られた



いつもそう
朝、大好きな人に会って舞い上がって
一人浮かれてるところを
毎回後ろから変な目で見られてる

別に変じゃないし!普通だし!多分…。



「恋する乙女の妄想の邪魔よ!」


「恋する乙女は妄想しねぇよ
今頃全力で当たってるわ」



………………確かに。

いや!でもでも!!
焦ってなにか気に障ることしちゃうかも
しれないじゃない?



「私は私のペースで恋を実らせるの!」


「へぇー」



まるで興味ないですって感じで
私の横を通り過ぎる幼なじみ

それにぷくーって頬を膨らませてたら
急に振り向いてきた



「な、なに?」


「あのさ」



突然、真剣な顔で話し出す幼なじみに
頭に?を浮かべながらとりあえず聞く



「お前はあの大学生のことでいっぱいかもだけど」


「うん?」


「俺がお前のこと好きなの忘れんなよ」



……え?
今なんて言った?

好き??
私の事が好き…………?



「……………?」


「あの兄ちゃんとの恋愛は俺、応援できないなー」



ぽかーんとしてる私の前で
にこにこしてる幼なじみ



「好きとか、は、初耳なんですけど……?」


「あれ?そうだっけ‪w‪w‪w」


「そうだっけじゃないよ!」



急に、告白なんて!
幼なじみが!幼稚園からずっと一緒の幼なじみが!



「あんまのろのろしてると
横から掻っ攫ってくからな」


「なっ!はぁ??」



初めて、生まれて初めて
幼なじみに困惑した

生まれて初めて、
幼なじみを男の子と認識した

朝からいろいろありまくりな日に
なってしまった……。



それからの体育の計測テストは
頭が悶々としてて
普段よりだいぶ遅かった。







『恋する小女と2人の王子』

ジャンル:恋愛
テーマ:季節(秋)

                  ~完~