「のんびり別荘で過ごしている人たちに協力してもらうんだよ!」

ツヤの言葉にイヅナの胸が弾む。長い苦しみや悲しみから、あの巨人を解放してあげられるかもしれないのだ。

「よっしゃあ!あの家の連中をギャフンと言わせてやろうぜ!」

はしゃぐレオナードに対し、イヅナとレオナードが「落ち着きなさい」と同時に言う。だが、その二人は心の中でツヤの選択に心を躍らせていた。

ツヤが紙とペンをハナエから借り、ギルベルトに宛てた手紙を書き始める。書き終えた手紙はすぐ、式神が咥えて遠く離れたギルベルトたちがいる場所まで運んで行く。

「どうか、長い悲しみを終えることができますように……」

イヅナは巨人がいる山の方を見上げ、そっと祈った。



それから数日後、ギルベルトたちがこの村へと到着した。駅までイヅナたちは迎えに行く。

「まさか、こんな形で呼び出されるとは思わなかったよ」

そう言うギルベルトに対し、ツヤが「あたしたちが負傷して動けないって連絡よりはいいだろ」と返す。イヅナたちは、数週間ぶりに見るチターゼたちと会えたことに喜び、抱き締め合っていた。