「……これが、私の考えた答えです。どうですか?」

その夜、ハナエの家でイヅナが夕食を食べた後にその話をすると、全員が真剣な表情で考え込む。しばらくしてから、ハナエがゆっくりと手を挙げた。

「あの、もし昔話が本当だったとすると、その人物が生きていたという証拠が……例えば、昔の戸籍一覧などがあるはずなんです。でも、私はその人の名前を見たことがありません」

「……ってことは、あの家の連中がその人の存在ごと隠蔽したってことかよ!」

レオナードが憤慨し、それを隣でヴィンセントが宥め、「僕らだけじゃ解決するのは難しくないですか?」とツヤを見つめる。

ツヤは顎に手を当てて考え込んでいたのだが、自分の式神である狼を呼び出す。突然部屋に狼が現れたことにハナエが悲鳴を上げ、ヴィンセントが襲ってきたりはしないということを説明する。

「何をするんですか?式神を出して……」

訊ねたイヅナに対し、ツヤは「決まってんだろ」とニヤリと笑って言う。