今はまだお昼過ぎで、夕ご飯の時間までまだまだ時間がある。何をしてすごそうかとイヅナが考えていると、「二人で同じような顔をして何してるの?」といつの間にか帰ってきたギルベルトに話しかけられる。二人は驚き、「わっ!」と声を上げた。

「驚かさないでください!」

「ヴィンセントと何をして夕方まで過ごそうか、考えていたんです」

ヴィンセントはギルベルトに文句を言い、イヅナは素直に答える。ギルベルトは少し考えた後、ヴィンセントをジッと見つめた。

「ヴィンセント、うちの地下室は図書室になってるんだ。君の好きなジャンルの本があるかどうかはわからないけど、行ってみたらどう?」

「図書室……!いいですね!」

ヴィンセントは目を輝かせながら、地下室へと続く階段を降りていく。一人残され、どうしようと考え続けるイヅナの肩に、ギルベルトの手が優しく置かれた。

「イヅナ、よかったら散歩しない?見せたいものがあるんだ」