沙羅を追い掛けて、辿り着いたのは女子トイレ。



「沙羅さん……」

「なんで、久遠様は貴方だけに優しいの?」



悲願するようにそう言葉にする沙羅。

その華奢な身体は小刻みに震えていた。


本当は言ったらいけない。でも__



沙羅に私が久遠の特別だと思われるのは辛くて……。



「多分、私が財閥財閥で働いているから……です……」

「そ、うなの?」

「はい……」