〜山手線内回りの全先頭車両〜
走り始めた瞬間、男が運転席の窓を叩く。
「何だ?」
振り向いた運転士が窓に当てられた紙を読む。
みるみる顔が恐怖に固まっていく。
『車両に爆弾を仕掛けた。停まったら爆発する。目黒のバスと同じだ。停まったら爆発する。安心しろ、全車両が同じ状態だ。走り続ければ、衝突はしない。モニターを見ろ』
運転席のモニターに、品川車両基地が映る。
「ドドーン💥」
「ドドーン💥」
「ドドーン💥」
立て続けに3つの車両が爆発した。
この映像は、全車両に付いたモニターにも映し出されていた。
車内が騒然とした雰囲気に包まれる。
そして、別の表示に変わる。
『騒ぐな。山手線内回りの全車両に爆弾を仕掛けた。騒げば爆破する。また、電車が止まったら自動で爆発する。暴走環状線へようこそ』
爆破された車両基地の映像に切り替わる。
既に緊急報道が始まっており、情報配信サービス「山手線トレインネット」をスマホで見る乗客達。
録画ではなく、リアルタイムな事件であることが伝わった。
〜警視庁特別対策本部〜
『デス・トレイン』を通じて、同じ情報と映像が流れていた。
「なんてことに…」
全員が言葉もなく呆然としていた。
そんな中、紗夜とヴェロニカだけは動いていた。
「警視庁刑事課です。今すぐ、山手線の外回りを駅で停車させ、全員を避難させてください」
「私よヴェロニカ。TERRAの研究チーム集めて、さっき送った爆弾の解除方法を見つけて。えっ?テレビ見てないのあんた達。あのバスと…多分同じ物が、山手線の車両に付いてんのよ❗️特急で探りなさい❗️」
その叫び声に、全員が我に返った。
「昴、山手線が経由してる、東北本線の田端駅 - 東京駅間を止めて! 淳は東海道本線の東京駅 - 品川駅間を!」
咲の指揮に無駄や躊躇《ちゅうちょ》はない。
「あの熊谷って整備士が言ってた、とんでもないことってこれね!」
「整備しながら、全車両に爆弾を仕掛けてたってことか!とんでもなさすぎるぜ、全く❗️」
「皆んなあれ!」
昴が指さしたモニター映像に、全員が釘付けになる。
映像は、同時に都内の様々な公共モニターや、ネット上にも流されていた。
「これは…10年まえの品川駅」
最終車両に楽しげに乗り込む園児達。
時計を気にして、しきりと電話をかける園長。
焦りを隠せない駅長。
「どこでこれを…我々が探しても見つけられなかった駅の監視カメラ映像だ」
富士本が力尽きた様に椅子に腰を下ろす。
園児が乗り込んだ車両の向こうから、山岸が運転する車両が見えた。
急ブレーキの音と舞い上がる白煙。
次の瞬間、激突して潰れる車両。
ボロ布の様に飛び散る園児。
「ひどい…こんな事故が、たった一人の子供によって、たった一つの信号機によって…」
紗夜の右の掌が疼いた。
(クソっ❗️)
「淳、帝銀に行くわよ!」
「紗夜さん、ムダです!」
「えっ?」
情報解析部が、品川駅、池袋駅、上野駅の監視カメラ映像を写す。
「まさか!」
電車に乗り込む、時任執務間、相沢公安部長、そして、押し込まれる菅原義光が映っていた。
「犯人の最後の標的は、こいつらね❗️」
「これで事故に関与した全員が…」
絶望感が増す紗夜。
走り始めた瞬間、男が運転席の窓を叩く。
「何だ?」
振り向いた運転士が窓に当てられた紙を読む。
みるみる顔が恐怖に固まっていく。
『車両に爆弾を仕掛けた。停まったら爆発する。目黒のバスと同じだ。停まったら爆発する。安心しろ、全車両が同じ状態だ。走り続ければ、衝突はしない。モニターを見ろ』
運転席のモニターに、品川車両基地が映る。
「ドドーン💥」
「ドドーン💥」
「ドドーン💥」
立て続けに3つの車両が爆発した。
この映像は、全車両に付いたモニターにも映し出されていた。
車内が騒然とした雰囲気に包まれる。
そして、別の表示に変わる。
『騒ぐな。山手線内回りの全車両に爆弾を仕掛けた。騒げば爆破する。また、電車が止まったら自動で爆発する。暴走環状線へようこそ』
爆破された車両基地の映像に切り替わる。
既に緊急報道が始まっており、情報配信サービス「山手線トレインネット」をスマホで見る乗客達。
録画ではなく、リアルタイムな事件であることが伝わった。
〜警視庁特別対策本部〜
『デス・トレイン』を通じて、同じ情報と映像が流れていた。
「なんてことに…」
全員が言葉もなく呆然としていた。
そんな中、紗夜とヴェロニカだけは動いていた。
「警視庁刑事課です。今すぐ、山手線の外回りを駅で停車させ、全員を避難させてください」
「私よヴェロニカ。TERRAの研究チーム集めて、さっき送った爆弾の解除方法を見つけて。えっ?テレビ見てないのあんた達。あのバスと…多分同じ物が、山手線の車両に付いてんのよ❗️特急で探りなさい❗️」
その叫び声に、全員が我に返った。
「昴、山手線が経由してる、東北本線の田端駅 - 東京駅間を止めて! 淳は東海道本線の東京駅 - 品川駅間を!」
咲の指揮に無駄や躊躇《ちゅうちょ》はない。
「あの熊谷って整備士が言ってた、とんでもないことってこれね!」
「整備しながら、全車両に爆弾を仕掛けてたってことか!とんでもなさすぎるぜ、全く❗️」
「皆んなあれ!」
昴が指さしたモニター映像に、全員が釘付けになる。
映像は、同時に都内の様々な公共モニターや、ネット上にも流されていた。
「これは…10年まえの品川駅」
最終車両に楽しげに乗り込む園児達。
時計を気にして、しきりと電話をかける園長。
焦りを隠せない駅長。
「どこでこれを…我々が探しても見つけられなかった駅の監視カメラ映像だ」
富士本が力尽きた様に椅子に腰を下ろす。
園児が乗り込んだ車両の向こうから、山岸が運転する車両が見えた。
急ブレーキの音と舞い上がる白煙。
次の瞬間、激突して潰れる車両。
ボロ布の様に飛び散る園児。
「ひどい…こんな事故が、たった一人の子供によって、たった一つの信号機によって…」
紗夜の右の掌が疼いた。
(クソっ❗️)
「淳、帝銀に行くわよ!」
「紗夜さん、ムダです!」
「えっ?」
情報解析部が、品川駅、池袋駅、上野駅の監視カメラ映像を写す。
「まさか!」
電車に乗り込む、時任執務間、相沢公安部長、そして、押し込まれる菅原義光が映っていた。
「犯人の最後の標的は、こいつらね❗️」
「これで事故に関与した全員が…」
絶望感が増す紗夜。