「やっと収まるところに収まったみたいだね」
「世話が焼けるよ」
荷物のことではなくて私と瑛理のこと。誠さんと兄はしたり顔だ。なんだかとても恥ずかしいし、どうかこれ以上は何も言わないでほしい。
瑛理への気持ちは、私たちの同居初の夜である今夜に告げるつもりなのだ。しかし考えれば考えるほど、緊張してくる。
なにしろ両想いだとわかったら、そのまま……。だってベッドは一緒だし、お互いの気持ちは通じている。何が起こっても変じゃない。
ああ、でも覚悟が……。河東くんの口車に乗ってダブルベッドになんかしなければよかった!
「邦親は明日、瑠衣さんを紹介するんだろう」
誠さんが兄に振る。よかった、話がそれそうである。
「ああ、そうだよ」
「ご両親とおばあちゃん、認めてくれるといいな」
「もし、反対されたら駆け落ちする予定だから、あとは頼むな。柊子」
笑顔でさらりと言う兄。いやいやいや、そんな頼り方しないでよ。すると瑛理が真顔で答える。
「俺は邦親さんと恋人さんが認められて幸せになるのが一番だと思うけど、もしものときは俺と柊子の子どもが古賀家を継げるんで。そこは安心してください」
「ふえッ!?」
瑛理の発言に私が過剰反応してしまった。私たちの子どもって……今までは冗談の範囲だったけれど両想いとわかった途端、現実味を帯びてきた。
というか、まさに今夜?と思っていた私としては無駄に想像をたくましくしてしまった。
「瑛理、柊子ちゃんが照れてる」
誠さんが言い、私は目元や首まで熱くなっていくのを感じた。恥ずかしい。こんなことで真っ赤になっていたら、意識しているのがバレバレだ。瑛理は私の様子を見て、失言だったかと考えているようだ。
誠さんがのんきな口調で続ける。
「俺も当分結婚の予定ないし、志筑家の跡継ぎも瑛理と柊子ちゃんに頼もうかなあ」
「兄貴、適当なこと言うな」
「誠、もう少し考えて喋ってくれ」
瑛理と兄が突っ込み、誠さんがあははと陽気に笑った。私ひとりが困ってもじもじと缶コーヒーを飲んでいた。
赤ちゃんだなんて。まだやっと瑛理の気持ちがわかったばかりでそんなこと考えられないよ。
「世話が焼けるよ」
荷物のことではなくて私と瑛理のこと。誠さんと兄はしたり顔だ。なんだかとても恥ずかしいし、どうかこれ以上は何も言わないでほしい。
瑛理への気持ちは、私たちの同居初の夜である今夜に告げるつもりなのだ。しかし考えれば考えるほど、緊張してくる。
なにしろ両想いだとわかったら、そのまま……。だってベッドは一緒だし、お互いの気持ちは通じている。何が起こっても変じゃない。
ああ、でも覚悟が……。河東くんの口車に乗ってダブルベッドになんかしなければよかった!
「邦親は明日、瑠衣さんを紹介するんだろう」
誠さんが兄に振る。よかった、話がそれそうである。
「ああ、そうだよ」
「ご両親とおばあちゃん、認めてくれるといいな」
「もし、反対されたら駆け落ちする予定だから、あとは頼むな。柊子」
笑顔でさらりと言う兄。いやいやいや、そんな頼り方しないでよ。すると瑛理が真顔で答える。
「俺は邦親さんと恋人さんが認められて幸せになるのが一番だと思うけど、もしものときは俺と柊子の子どもが古賀家を継げるんで。そこは安心してください」
「ふえッ!?」
瑛理の発言に私が過剰反応してしまった。私たちの子どもって……今までは冗談の範囲だったけれど両想いとわかった途端、現実味を帯びてきた。
というか、まさに今夜?と思っていた私としては無駄に想像をたくましくしてしまった。
「瑛理、柊子ちゃんが照れてる」
誠さんが言い、私は目元や首まで熱くなっていくのを感じた。恥ずかしい。こんなことで真っ赤になっていたら、意識しているのがバレバレだ。瑛理は私の様子を見て、失言だったかと考えているようだ。
誠さんがのんきな口調で続ける。
「俺も当分結婚の予定ないし、志筑家の跡継ぎも瑛理と柊子ちゃんに頼もうかなあ」
「兄貴、適当なこと言うな」
「誠、もう少し考えて喋ってくれ」
瑛理と兄が突っ込み、誠さんがあははと陽気に笑った。私ひとりが困ってもじもじと缶コーヒーを飲んでいた。
赤ちゃんだなんて。まだやっと瑛理の気持ちがわかったばかりでそんなこと考えられないよ。



