「モテ自慢ですか?」
「まあな。モテる男が夫で嬉しいだろ」
「冗談でも笑えない」
さっきの仕返しに私を嫌な気分にさせたいのだろう。本当にこういうところが子ども。
瑛理は幼いころからとびきり頭の回転が速く利発だった。空気が読めて、その場に合う態度をさっととれる。周囲に愛される質だった。
しかし、その計算高い愛されムーヴを、私相手には一切見せない。
私だけはからかってくるし、バカにしてくる。軽んじているし、どうでもいいという扱いをする。
なんでこんな男を好きになっちゃったんだろう。顔だけだったら、お兄さんの誠さんだってめちゃくちゃ格好いい。それなのに、好きになったのは同い年で私にだけ意地悪な瑛理。
恋は理不尽だ。全然思う通りにならない。
「綺麗な景色、たくさん送ってあげれば?」
「全部、柊子を見切れさせて、妻とのラブラブ旅行を匂わせておこうか」
「なにそれ。バカなの? 嫌われるよ」
「俺は水平に興味ないし、別にいい」
私は車窓に目を移し、返事をしなかった。
新幹線は進み、その間私たちはあまり喋らなかった。
新幹線を降り、レンタカーに乗り換えた。昼食は調べておいた和食の店に予約を入れておいたので、そこへ向かう。
観光客向けのお店なのだろうが、人気店らしく店内は混みあって活気があった。お蕎麦とお豆腐のランチコースがとても美味しい。
「行く途中、ハーブ園があるらしいぞ。牧場も」
食事をしながら、瑛理がタブレットの画面を見せてくれる。そこには牧場のホームページが表示されていた。
「まあな。モテる男が夫で嬉しいだろ」
「冗談でも笑えない」
さっきの仕返しに私を嫌な気分にさせたいのだろう。本当にこういうところが子ども。
瑛理は幼いころからとびきり頭の回転が速く利発だった。空気が読めて、その場に合う態度をさっととれる。周囲に愛される質だった。
しかし、その計算高い愛されムーヴを、私相手には一切見せない。
私だけはからかってくるし、バカにしてくる。軽んじているし、どうでもいいという扱いをする。
なんでこんな男を好きになっちゃったんだろう。顔だけだったら、お兄さんの誠さんだってめちゃくちゃ格好いい。それなのに、好きになったのは同い年で私にだけ意地悪な瑛理。
恋は理不尽だ。全然思う通りにならない。
「綺麗な景色、たくさん送ってあげれば?」
「全部、柊子を見切れさせて、妻とのラブラブ旅行を匂わせておこうか」
「なにそれ。バカなの? 嫌われるよ」
「俺は水平に興味ないし、別にいい」
私は車窓に目を移し、返事をしなかった。
新幹線は進み、その間私たちはあまり喋らなかった。
新幹線を降り、レンタカーに乗り換えた。昼食は調べておいた和食の店に予約を入れておいたので、そこへ向かう。
観光客向けのお店なのだろうが、人気店らしく店内は混みあって活気があった。お蕎麦とお豆腐のランチコースがとても美味しい。
「行く途中、ハーブ園があるらしいぞ。牧場も」
食事をしながら、瑛理がタブレットの画面を見せてくれる。そこには牧場のホームページが表示されていた。



