「私たち、夫婦だよ。守ってなんて言ってない。守り合いたい、瑛理と」
「柊子、ごめん。愛してるよ」
私たちは一緒に歩いていくパートナーなのだ。片方だけが大活躍をして、もう片方を守り続けるなんて関係はフェアじゃない。互いの存在を時に励みにして、時に杖にして、それぞれの道を一心不乱に進む。そういう夫婦でありたい。
「私と夫婦、続けてくれますか?」
「ああ、頼む。ずっとずっと傍で俺の奥さんでいてくれ」
私たちは視線を絡ませ、涙で潤んだ瞳を細めて笑い合った。それから硬く、強く抱き合う。
瑛理が戻ってきてくれたように思えた。大事なものがこの手にあると強く感じられた。
「そもそも、瑛理のことは昔から知ってるんだから、今更格好つけても無駄です。すねた顔や怒った顔、美優さんと喧嘩して泣いちゃった顔も覚えてるけど可愛かったなあ。また見せてほしいなあ」
「そんなの子どもの頃の話だろ? 時効だから、忘れろ」
「思い出に時効はありません~」
私の言葉に、瑛理は照れくさいのを隠すためにぶすっとしている。
「その顔も可愛いよ」
「俺は、柊子の困った顔が見たい」
そう言って瑛理が顔を近づけてきて、私の唇にキスを落とした。
それは休日の昼下がりにふさわしい甘いキス。
「瑛理、こら」
「何がこらなんだよ」
「足、怪我してるし……」
私がおずおずと言うと、瑛理はふふっと意地悪く笑った。いつもの瑛理に戻っている。
「あんまり激しくしなければ大丈夫だろ」
「治り、遅くなっても知らないからね」
「どうかなあ」
瑛理が楽しそうに笑うので、私はすでに困った顔をしつつ、彼の手を引いて寝室へ向かった。
久しぶりの甘い時間は日がとっぷり暮れるまで続いたのだった。
「柊子、ごめん。愛してるよ」
私たちは一緒に歩いていくパートナーなのだ。片方だけが大活躍をして、もう片方を守り続けるなんて関係はフェアじゃない。互いの存在を時に励みにして、時に杖にして、それぞれの道を一心不乱に進む。そういう夫婦でありたい。
「私と夫婦、続けてくれますか?」
「ああ、頼む。ずっとずっと傍で俺の奥さんでいてくれ」
私たちは視線を絡ませ、涙で潤んだ瞳を細めて笑い合った。それから硬く、強く抱き合う。
瑛理が戻ってきてくれたように思えた。大事なものがこの手にあると強く感じられた。
「そもそも、瑛理のことは昔から知ってるんだから、今更格好つけても無駄です。すねた顔や怒った顔、美優さんと喧嘩して泣いちゃった顔も覚えてるけど可愛かったなあ。また見せてほしいなあ」
「そんなの子どもの頃の話だろ? 時効だから、忘れろ」
「思い出に時効はありません~」
私の言葉に、瑛理は照れくさいのを隠すためにぶすっとしている。
「その顔も可愛いよ」
「俺は、柊子の困った顔が見たい」
そう言って瑛理が顔を近づけてきて、私の唇にキスを落とした。
それは休日の昼下がりにふさわしい甘いキス。
「瑛理、こら」
「何がこらなんだよ」
「足、怪我してるし……」
私がおずおずと言うと、瑛理はふふっと意地悪く笑った。いつもの瑛理に戻っている。
「あんまり激しくしなければ大丈夫だろ」
「治り、遅くなっても知らないからね」
「どうかなあ」
瑛理が楽しそうに笑うので、私はすでに困った顔をしつつ、彼の手を引いて寝室へ向かった。
久しぶりの甘い時間は日がとっぷり暮れるまで続いたのだった。



