「冷たい態度を取って悪かった」
瑛理からの謝罪の言葉に小さく「ううん」と答える。気にしていないと言えば嘘になる。瑛理が続ける。
「部下を育てられなかった。失敗を挽回もさせてやれなかった。挙句、自分で怪我までしてしまって。自己嫌悪を消すために、仕事で挽回しなくちゃって思ってた」
「うん、わかってるつもりだよ」
「だけど、実際俺はおまえに優しくされるのがつらかったんだと思う。合わせる顔がないって思ってた。柊子を守って誰よりも幸せにしたいのに、こんな俺じゃ駄目なんじゃないかって思ってしまった」
私は瑛理に歩み寄り、その背中に頬をくっつけ、腕をまわして抱きしめた。
「勝手に自信を無くして、柊子を遠ざけて。結果柊子を傷つけて、バカみたいだよな」
「そんなことないよ」
「河東みたいな優しいヤツの方が柊子を安心させてやれるんじゃないかとも思う。でも、俺は柊子を誰にも渡したくない」
瑛理が私の腕を解き、ゆっくりと振り返った。私を見下ろす真摯な瞳。やっと視線が絡んだと思えた。
「瑛理」
「柊子が好きだ。傷つけたことを謝りたいし、それでも傍にいてほしい。俺だけの柊子でいてほしい」
私は瑛理の背に腕をまわして改めて抱きしめた。
「傍にいるに決まってるでしょう。瑛理の全部が好きなんだから。素直になれないところも、私の前で格好つけたいところも」
長い間、瑛理に好かれていないと勘違いしながらもずっと気持ちを捨てられずにいた。そんな私が、今更瑛理のことを嫌いになれるわけない。離れられるわけがない。
「瑛理は昔から自信満々で、実際ひとりでなんでもできる人だった。でも、裏で努力してることを私は知ってるよ。ねえ、私には弱みも見せて。私の前では頑張らないで。私もそうするから」
「柊子……」
瑛理が私の背をしなるほど抱きしめた。心地よくて私は目をつむる。涙が一筋こぼれた。
瑛理からの謝罪の言葉に小さく「ううん」と答える。気にしていないと言えば嘘になる。瑛理が続ける。
「部下を育てられなかった。失敗を挽回もさせてやれなかった。挙句、自分で怪我までしてしまって。自己嫌悪を消すために、仕事で挽回しなくちゃって思ってた」
「うん、わかってるつもりだよ」
「だけど、実際俺はおまえに優しくされるのがつらかったんだと思う。合わせる顔がないって思ってた。柊子を守って誰よりも幸せにしたいのに、こんな俺じゃ駄目なんじゃないかって思ってしまった」
私は瑛理に歩み寄り、その背中に頬をくっつけ、腕をまわして抱きしめた。
「勝手に自信を無くして、柊子を遠ざけて。結果柊子を傷つけて、バカみたいだよな」
「そんなことないよ」
「河東みたいな優しいヤツの方が柊子を安心させてやれるんじゃないかとも思う。でも、俺は柊子を誰にも渡したくない」
瑛理が私の腕を解き、ゆっくりと振り返った。私を見下ろす真摯な瞳。やっと視線が絡んだと思えた。
「瑛理」
「柊子が好きだ。傷つけたことを謝りたいし、それでも傍にいてほしい。俺だけの柊子でいてほしい」
私は瑛理の背に腕をまわして改めて抱きしめた。
「傍にいるに決まってるでしょう。瑛理の全部が好きなんだから。素直になれないところも、私の前で格好つけたいところも」
長い間、瑛理に好かれていないと勘違いしながらもずっと気持ちを捨てられずにいた。そんな私が、今更瑛理のことを嫌いになれるわけない。離れられるわけがない。
「瑛理は昔から自信満々で、実際ひとりでなんでもできる人だった。でも、裏で努力してることを私は知ってるよ。ねえ、私には弱みも見せて。私の前では頑張らないで。私もそうするから」
「柊子……」
瑛理が私の背をしなるほど抱きしめた。心地よくて私は目をつむる。涙が一筋こぼれた。



