信用が完全になくなっているようだ。くどくどねちねちと続く嫌味と文句。
しかし、ここは聞かなければならない。相手もこう言いたくなるほど嫌な思いをしたのだから。
「謝罪にお見えになったようですが、あなたも随分お若いですね。しかるべき立場の方がお越しになるのが筋ではないですか?」
戸田の上司でありチームリーダーであると名乗っていても、若造だと見られることは想定していた。年齢は変えられないが、そのせいで誠意がないとみられるのは歯がゆい部分でもある。
一方で、これほど硬化した態度を見せる相手とこれ以上話しても、事態の改善は見られないだろうとも感じていた。上司たちを伴って出直してくる算段をつけた方がよさそうだ。
「……なんだよ」
その声は俺の横から聞こえた。はっと振り向いた時には戸田が責任者に詰め寄っていた。
「何度謝らせれば気が済むんだよ。嫌がらせか足元見てるようにしか思えないだろ!」
「やめろ、戸田!」
俺と矢成が戸田を取り押さえるより先に、責任者の近くにいた男性スタッフが割って入り、戸田を突き飛ばした。
「店長からはなれろ、この野郎!」
大きくよろけた戸田が壁際に積まれた段ボールにぶつかる。
まずい。そう思った時には身体が動いていた。
戸田の身体に覆いかぶさったのは覚えている。落ちてくる段ボールの音も。
しかし、そこで俺の意識は途切れてしまった。
しかし、ここは聞かなければならない。相手もこう言いたくなるほど嫌な思いをしたのだから。
「謝罪にお見えになったようですが、あなたも随分お若いですね。しかるべき立場の方がお越しになるのが筋ではないですか?」
戸田の上司でありチームリーダーであると名乗っていても、若造だと見られることは想定していた。年齢は変えられないが、そのせいで誠意がないとみられるのは歯がゆい部分でもある。
一方で、これほど硬化した態度を見せる相手とこれ以上話しても、事態の改善は見られないだろうとも感じていた。上司たちを伴って出直してくる算段をつけた方がよさそうだ。
「……なんだよ」
その声は俺の横から聞こえた。はっと振り向いた時には戸田が責任者に詰め寄っていた。
「何度謝らせれば気が済むんだよ。嫌がらせか足元見てるようにしか思えないだろ!」
「やめろ、戸田!」
俺と矢成が戸田を取り押さえるより先に、責任者の近くにいた男性スタッフが割って入り、戸田を突き飛ばした。
「店長からはなれろ、この野郎!」
大きくよろけた戸田が壁際に積まれた段ボールにぶつかる。
まずい。そう思った時には身体が動いていた。
戸田の身体に覆いかぶさったのは覚えている。落ちてくる段ボールの音も。
しかし、そこで俺の意識は途切れてしまった。



