時間をかけて聞き取りをしたところ、トラブルの内容が見えてきた。
最初はしづきが商材の納品を委託しているサタ運送のスタッフが、スワドラッグ八重洲店への搬入時に商品を乱暴に扱ったそうだ。
店舗の人間がサタ運送としづきの担当である戸田にクレームをつけたそうだが、まず俺はその報告すら聞いていない。
戸田が仕切ってサタ運送側に謝罪をさせたそうだが、スワドラッグの店舗責任者は今後サタ運送に配送を任せたくないから、別な物流関係の会社を通してほしいと言ってきたそうだ。この時点で、スワドラッグ本社の営業社員たちも関わってきている。
最初は戸田も自分ひとりでどうにかできると思っていたようだ。
物流関係の会社とはいくつも取引があるとはいえ、簡単に変えることはできない。スワドラッグ側を説得すればトラブルは収束すると思っていたという。
しかし本社の営業担当者たちに聞く耳を持ってもらえず、一日でも早く別な運送会社に変えろとせっつかれ続け、戸田はつい『そもそもうちが悪かったんじゃない。謝罪させたから責任は果たした』という類のいわば逆切れのような態度を取ってしまったそうだ。
小さなトラブルが報告と相談を欠かし、対処が遅れたばっかりに、会社同士の契約存続の危機につながってしまった。
「すみません。俺がついていながら」
矢成は謝るが、聞けば矢成もこの事態を聞いたのはついさっきだそうだ。メールなどのやりとりを、戸田は故意に俺たちに見せなかったようだ。
「スワドラッグは付き合いの長い上顧客。うちのチームも力を入れたい客先なのはわかるよな」
なるべく追及の口調にならないように戸田に問いかける。
「なんで、相談をしなかった?」
最初はしづきが商材の納品を委託しているサタ運送のスタッフが、スワドラッグ八重洲店への搬入時に商品を乱暴に扱ったそうだ。
店舗の人間がサタ運送としづきの担当である戸田にクレームをつけたそうだが、まず俺はその報告すら聞いていない。
戸田が仕切ってサタ運送側に謝罪をさせたそうだが、スワドラッグの店舗責任者は今後サタ運送に配送を任せたくないから、別な物流関係の会社を通してほしいと言ってきたそうだ。この時点で、スワドラッグ本社の営業社員たちも関わってきている。
最初は戸田も自分ひとりでどうにかできると思っていたようだ。
物流関係の会社とはいくつも取引があるとはいえ、簡単に変えることはできない。スワドラッグ側を説得すればトラブルは収束すると思っていたという。
しかし本社の営業担当者たちに聞く耳を持ってもらえず、一日でも早く別な運送会社に変えろとせっつかれ続け、戸田はつい『そもそもうちが悪かったんじゃない。謝罪させたから責任は果たした』という類のいわば逆切れのような態度を取ってしまったそうだ。
小さなトラブルが報告と相談を欠かし、対処が遅れたばっかりに、会社同士の契約存続の危機につながってしまった。
「すみません。俺がついていながら」
矢成は謝るが、聞けば矢成もこの事態を聞いたのはついさっきだそうだ。メールなどのやりとりを、戸田は故意に俺たちに見せなかったようだ。
「スワドラッグは付き合いの長い上顧客。うちのチームも力を入れたい客先なのはわかるよな」
なるべく追及の口調にならないように戸田に問いかける。
「なんで、相談をしなかった?」



