「海に行くっていうから、こっそり腹筋だけしてたの。でも、体重は変わってないんだよ~。同居してから三キロも太っちゃった」
絶対に気にしすぎだ。俺としては柊子が太っていても痩せていても関係ない。柊子が柊子である限り好きなのだ。
「兄さんと瑠衣さんは幸せ太りだから諦めろって言うし」
「幸せ太りね。俺も柊子と食べる飯が美味いから少し増えたかも」
「瑛理こそ、全然わかんないもん。っていうか、いつまでもお腹揉んでないで。くすぐったい」
柊子が困った顔をするので、面白くなって俺は後ろから抱きかかえて柊子の腹をくすぐる。
「きゃあ! やめてよ、瑛理!」
暴れる柊子を散々笑わせて、それからぎゅっと抱きしめた。
柊子の後頭部に顔をうずめる。離したくない。ずっとこうしていたい。日常にあれば、二十四時間ぴったり傍にいることはできない。この瞬間時が止まってしまえばいいと本気で思った。
「柊子、好きだ」
「ふふ、どうしたの?」
「十年後も二十年後もこうして一緒に海に来たいな」
「うん、私もそう思う」
柊子の声が波音と闇に溶ける。
好きになればなるほど、もっと柊子がほしくなる。独占していたくなる。
波の音を聞きながら、俺たちはそうして身体を寄せ合っていた。
絶対に気にしすぎだ。俺としては柊子が太っていても痩せていても関係ない。柊子が柊子である限り好きなのだ。
「兄さんと瑠衣さんは幸せ太りだから諦めろって言うし」
「幸せ太りね。俺も柊子と食べる飯が美味いから少し増えたかも」
「瑛理こそ、全然わかんないもん。っていうか、いつまでもお腹揉んでないで。くすぐったい」
柊子が困った顔をするので、面白くなって俺は後ろから抱きかかえて柊子の腹をくすぐる。
「きゃあ! やめてよ、瑛理!」
暴れる柊子を散々笑わせて、それからぎゅっと抱きしめた。
柊子の後頭部に顔をうずめる。離したくない。ずっとこうしていたい。日常にあれば、二十四時間ぴったり傍にいることはできない。この瞬間時が止まってしまえばいいと本気で思った。
「柊子、好きだ」
「ふふ、どうしたの?」
「十年後も二十年後もこうして一緒に海に来たいな」
「うん、私もそう思う」
柊子の声が波音と闇に溶ける。
好きになればなるほど、もっと柊子がほしくなる。独占していたくなる。
波の音を聞きながら、俺たちはそうして身体を寄せ合っていた。



