ランチを食べてから、このあたりでは新しいリゾートホテルにチェックインした。
オーシャンビューの部屋は、一番グレードの高い部屋が一室だけ空いていたので、張り込んで予約した。それこそ、四月の旅も張り込んでいい部屋を取ったのに、俺と柊子は飲んだくれて進展どころか後退して眠ったのだったなと今更おかしくなる。
今こうして、両想いの夫婦として旅に出られたことが、ものすごく幸せだと感じられた。
夕食まで時間もあるので、街中を散策したり観光地になっている公園を回ったりして過ごした。
まだまだ暑い八月の終わり、途中でアイスコーヒーを飲み、ソフトクリームを食べた。学生時代のやり直しをしているみたいだ。
夕食はホテル内のフレンチで取り、お腹がいっぱいになった俺たちは、腹ごなしに海岸線を散歩することにした。
柊子はマキシ丈のリゾートドレスにサンダルを履いている。黒髪が夜風になびく。月明りに照らされた横顔は絵画の女神みたいに美しかった。
ザザン、と寄せ来る波の音を聞きながら、砂を踏んでふたりで歩く。互いの手はしっかりと繋いで。
「きゃっ」
柊子が砂に足をとられ、よろける。咄嗟に腰に手をまわし、引き寄せた。
「ありがとう、瑛理。助かった」
「気をつけろ。柊子はいつもそうだ」
からかえば柊子はむくれた顔になる。
柔らかな柊子の身体を離したくなくて、腰を抱いたまま歩くと、柊子も俺にもたれてきた。甘えた態度が珍しい。自然と胸が高鳴る。
ごまかすようにお腹をもちもちと触ってみた。
「昼間も思ったけど、柊子、別に太ってないぞ」
オーシャンビューの部屋は、一番グレードの高い部屋が一室だけ空いていたので、張り込んで予約した。それこそ、四月の旅も張り込んでいい部屋を取ったのに、俺と柊子は飲んだくれて進展どころか後退して眠ったのだったなと今更おかしくなる。
今こうして、両想いの夫婦として旅に出られたことが、ものすごく幸せだと感じられた。
夕食まで時間もあるので、街中を散策したり観光地になっている公園を回ったりして過ごした。
まだまだ暑い八月の終わり、途中でアイスコーヒーを飲み、ソフトクリームを食べた。学生時代のやり直しをしているみたいだ。
夕食はホテル内のフレンチで取り、お腹がいっぱいになった俺たちは、腹ごなしに海岸線を散歩することにした。
柊子はマキシ丈のリゾートドレスにサンダルを履いている。黒髪が夜風になびく。月明りに照らされた横顔は絵画の女神みたいに美しかった。
ザザン、と寄せ来る波の音を聞きながら、砂を踏んでふたりで歩く。互いの手はしっかりと繋いで。
「きゃっ」
柊子が砂に足をとられ、よろける。咄嗟に腰に手をまわし、引き寄せた。
「ありがとう、瑛理。助かった」
「気をつけろ。柊子はいつもそうだ」
からかえば柊子はむくれた顔になる。
柔らかな柊子の身体を離したくなくて、腰を抱いたまま歩くと、柊子も俺にもたれてきた。甘えた態度が珍しい。自然と胸が高鳴る。
ごまかすようにお腹をもちもちと触ってみた。
「昼間も思ったけど、柊子、別に太ってないぞ」



