「実は、志筑先輩には先日、はっきり振られているんです。これ以上好意を寄せられても応えられない、柊子に心配をかけたくないから諦めてくれ、と」
瑛理の口からそんな話は聞いていない。彼は私のためを思って、水平さんと決別していたのだ。
「志筑先輩ばかりが柊子さんに片想いしてるならまだチャンスがあるかなって思いましたけど、はっきり宣言されちゃいましたね。ラブラブアピール、不快です!」
「ええ、……なんかごめんなさい」
流れで理不尽な文句に謝ってしまった。
水平さんは私の反応にふふっと笑い、それから折り目正しくお辞儀した。
「急に押しかけ失礼しました。チームが分かれたら接点も減りますし、志筑先輩のことは諦められると思います。安心してください」
「水平さん、……ええ、わかりました」
「もうお会いすることもないと思います。数々のご無礼をお許しください。失礼します」
そう言って彼女は去っていった。嵐のような一瞬だった。
これはきっと彼女のけじめに必要だったのだろう。受け止めてやれてよかったと思う。
そして、私もまた自身の強い気持ちを再確認できた。
私は瑛理が好き。誰にも渡せない。
瑛理を真剣に好きだった彼女への誠意のためにも、私は瑛理と生きていこう。
もっと話して、もっとわかり合いたい。夫婦なのだから、遠慮せずに伝え合おう。
瑛理の口からそんな話は聞いていない。彼は私のためを思って、水平さんと決別していたのだ。
「志筑先輩ばかりが柊子さんに片想いしてるならまだチャンスがあるかなって思いましたけど、はっきり宣言されちゃいましたね。ラブラブアピール、不快です!」
「ええ、……なんかごめんなさい」
流れで理不尽な文句に謝ってしまった。
水平さんは私の反応にふふっと笑い、それから折り目正しくお辞儀した。
「急に押しかけ失礼しました。チームが分かれたら接点も減りますし、志筑先輩のことは諦められると思います。安心してください」
「水平さん、……ええ、わかりました」
「もうお会いすることもないと思います。数々のご無礼をお許しください。失礼します」
そう言って彼女は去っていった。嵐のような一瞬だった。
これはきっと彼女のけじめに必要だったのだろう。受け止めてやれてよかったと思う。
そして、私もまた自身の強い気持ちを再確認できた。
私は瑛理が好き。誰にも渡せない。
瑛理を真剣に好きだった彼女への誠意のためにも、私は瑛理と生きていこう。
もっと話して、もっとわかり合いたい。夫婦なのだから、遠慮せずに伝え合おう。



