そのまま車に乗り込む。

「どうゆぅことで…」

「アンタ何考えてんのよ⁉️」

追及しようとした昴の出鼻を挫く。
理解不能な昴。

「富士本さん、驚いたけどナイスでした!」

「ナイスって、何も聞けてないですよ?」

「人はね、咄嗟に嘘をつく時、顔のどけかに手がいくのよ。つまり、店長の『知らない』は嘘」

「だったら尚更!」

「昴。あの娘はまだ15才だぜ。たとえ逮捕されても、名前と顔は表には出せないんだよ!」

「昴、あそこで写真見せたら、速攻でクビよ」

言葉もない昴くん。

「早退した七海はあそこにいた。豊山豊と」

「おい咲、あの飴玉は七海が取ったとして、金曜日にいたとは限らんだろう、ましてや豊山とまでは…」

「私も結構ゲーム好きなんだよね。だから、あそこにあった、バイオハザードの最新マシンは超感動物!…で、そこに貼られていたのよ、最高得点と『NANAMI & YUTAKA 』って名前が、日付け付きでね!」


人気ゲームには、最高得点者の得点と名前、日付けが掲示される。もちろん偽名も多いが、実名も少なくはない。

「凄い!咲さんって本当に刑事じゃないの?」

「これでも弁護士やってたからね〜。習慣ってやつかな?色々と目が利くのよ」

初回裁判で、速攻退職した弁護士さん。
単にゲーム好きだっただけである💧
まぁ…洞察力と記憶力は並外れてはいた。

「豊山なら、写真で確認しましょうよ」

「昴るよ、刑事ってのは、色々と身につけなきゃならんことがある。さっき店長は、『また』って言っただろうが」

富士本がニヤリと言う。

「その通り。豊山の担当班が、確認済みよ、だから当然監視カメラ映像も入手済みってこと」

「学校へも七海の担当班が行ってるだろうし、夕方の会議までは、まだ時間あるわね…」

と考えてた時。

「富士本さん、本部の三上です。たった今拘置所から連絡があり、千佳が死亡しました!」

「何だと⁉️」

説明を聞く三人。

「それで、七海は?」
その瞬間、嫌な予感がした咲。

「そ…それが…逃走しました。い…今、全力で捜索中です」

歯切れの悪さを感じた富士本。

「千佳が使った拳銃も、消えた…か」

「……はい」

「なんてことに…クソッ❗️」

歯を噛み締める咲であった。
それを堪え、藤本に言う。

「もう一つ、付き合って」