『彼が莉愛の婚約者だよ。莉愛は16歳になったらこの方と結婚するんだ』


いわゆるー…“政略結婚”

親同士が決めた結婚。


来栖のこれからの未来が全て懸かっていて、わたしは両親の希望。



だからこそ、断るなんてできなかった。



もし、相手の人が超性悪でヤンキーみたいな人だったら話は別だけど……

全然悪くなくて、むしろ良い人。


断る理由なんてなかったの。



あとちょっとで学校というとき。


………あ!


私の先を歩く見慣れた背中を発見。



「せんぱーい!」


思いっきり駆け寄って、その背中にダイブ。


「…ってぇ」



ふふっやっぱりせいかーい。


痛そうに顔を歪めるのはいつものこと。