「僕は構いませんよ」


「…私も、同様です」



心のどこかで「断れ」て言ってるのが分かるけど、私には出来っこないよ……。

お母さんたちを悲しませたくないし、来栖の将来のためだから。



結局、わたしは自分に弱くて本音を言えないまま終わった。



玄関まで見送りに行って挨拶をし終わったとき。


「あの、薫さん」

「ん?どうしたの?」


ふと、蒼井くんが私のお母さんに声をかけた。



「莉愛ちゃんをお借りしたいのですが…よろしいですか?」



え……私??
まさかの展開にビックリ。



「ええもちろん。莉愛、お部屋に連れて行きなさい」


「えっ……私の部屋?」


「そうよ。それ以外に場所はないじゃない」


うぅ…まぁそれはそうだけど!

よりよってなんで今!?



でもあれこれいっても仕方ない、よね。