ダークブラウンのサラサラな髪に王子様みたいに整った綺麗な顔。


蒼井くんは今現在、高校3年生で18歳。

わたしとは2つも歳が離れている。

蒼井くんはわたしと違う高校に通って、有名な私立高校の生徒。



甘いマスクは誰もを魅了し、笑顔を向けられればイチコロだろうねきっと。



だけど……わたしはそんな蒼井くんがちょっとだけ苦手。


なんていうか偽物っぽいっていうか…紳士すぎて逆に違く見えるんだよね。



「では、始めようか」


口を開いたのは蒼井くんのお父さんの真司さん。



「式場は前に話した通り両家の親同士で決める。……蒼井と莉愛ちゃんは本当に良いんだよね?」


多分そう言うこと、だよね。


本当に結婚するんだね?っていう確かめての質問。



ここで首を横に振ったらどうなるんだう……

そんなことは自信のない私にはできない。


親の前では良い子を作って、物分かりが良いようにしてきた。


今更それを壊すのは違う気がする。