「あー…ごめん。俺彼女からのしか受け取らねぇから」



輪の中から追い出された私の腕を引いて、「彼女」とでもいうように私の肩をポンっと叩いた。


その瞬間、グサっと突き刺さる女の子たちの怖い視線。



うぅ……こ、こわ。
さすがに私ここで死にたくないよ?

ひゃ〜なんでこうも最近の子たちって目つきが鋭いかなぁ。



でも素直に嬉しかった。


「俺の彼女だから」ってちゃんと人前で言ってくれるあたり見直した。



そして女の子たちをなんとか巻いて下駄箱で上履きに履き替える。



なんだけど……



「なぁ、俺別に1人でも履けるよ?」


そう、私はいま渚が上履きを履くのをお手伝いしている。



だって…他の子たちに渡されないようにガードするべきでしょ!



バレンタインデーって本当に勝負の日なんだから。

特にモテる渚は手のつけようがないぐらい大変で、貰わないのは分かってるけどすっごく心配。