「ななな渚!」


「色気ねぇなーほんと」


朝からなんってこというの〜この人は!

あれから私たちが付き合ってることは学校中に広まって、一躍有名人となった。


もっとラブラブかなぁ〜って思ってたんだけど全然そんなことなくて、むしろ態度が酷くなった気がしなくもない……?



あっ!そうだ。
早くバレンタインチョコ渡さないと!



そう思ってバックから取り出そうとしたとき…



「「結城せんぱ〜い!」」


ドドドっと複数人の女の子たちが一気に押し寄せてきて、私はまるで通過人のようにスルーされた。



え、ちょっと!
私は?私一応彼女なんですけど……?


女の子一同は全く気にする様子もなく、渚に作ってきたであろうチョコを手渡していた。



あ〜〜!先越されたぁー…。


私が1番最初に渡したかったのに。



チラッと渚を見ると困ったように頭をガシガシとかいて、途端にこう言った。