「っありがとう、蒼井くん」
少なからず蒼井くんがいたからこそ乗り越えられたこともあった。
私が渚先輩に振られたあのときだって、わざわざ雨の中探しにきてくれた。
蒼井くんは優しくてカリスマ性が高くて結婚しても釣り合わないのにって思ってた。
だけど……初めて本音をきいたとき、思っていた蒼井くんとは全然違くて、余裕がない一途な男子だった。
それに、蒼井くんの本当の部分を知らない私が婚約者だなんて…そんなの誰も納得しないと思うから。
「今度こそちゃんと幸せになりなよ」
「うん…!蒼井くんもね」
「うん」と首を縦に振ると、私たちに背を向けて一度も振り返ることなく歩いて行った。
「あ、ちょっと蒼井!」
その後ろ姿を蒼井くんの両親は追っていって、その場には私と渚先輩と私の家族が残った。
シーン…
しばらくの沈黙の後、口を開いたのはお母さん。
「…莉愛、後悔なんてしないでいいのよ。まぁちょっとは大事になっちゃったかもだけど、蒼井くんのご両親には改まって謝罪しに行きましょう」
少なからず蒼井くんがいたからこそ乗り越えられたこともあった。
私が渚先輩に振られたあのときだって、わざわざ雨の中探しにきてくれた。
蒼井くんは優しくてカリスマ性が高くて結婚しても釣り合わないのにって思ってた。
だけど……初めて本音をきいたとき、思っていた蒼井くんとは全然違くて、余裕がない一途な男子だった。
それに、蒼井くんの本当の部分を知らない私が婚約者だなんて…そんなの誰も納得しないと思うから。
「今度こそちゃんと幸せになりなよ」
「うん…!蒼井くんもね」
「うん」と首を縦に振ると、私たちに背を向けて一度も振り返ることなく歩いて行った。
「あ、ちょっと蒼井!」
その後ろ姿を蒼井くんの両親は追っていって、その場には私と渚先輩と私の家族が残った。
シーン…
しばらくの沈黙の後、口を開いたのはお母さん。
「…莉愛、後悔なんてしないでいいのよ。まぁちょっとは大事になっちゃったかもだけど、蒼井くんのご両親には改まって謝罪しに行きましょう」



