「でも、俺は莉愛が好きなんです。絶対に渡したくないって思えるのが莉愛で、それ以上もそれ以下もありません」



どうしてそこまで…してくれるの?

もう叶うことのない片想いだって思ってたのに。



「はぁ、もういいよ」

さっきまで黙っていた蒼井くんだけど、ため息と共にそう吐いた。



「莉愛ちゃん」


「……蒼井くん、ごめんなさい」



ほんっとうにごめんなさい。

私の勝手な行動で蒼井くんとその両親に迷惑をかけちゃった。


だけど蒼井くんを好きになれなかったのは事実。



「結婚をすることで莉愛ちゃんの気持ちが俺に向くんじゃないかって思ってた。けど、実際は違った。……あのときの返事を訂正してあげるよ」



「…」



「婚約解消してもいいよ」



蒼井くんは今までで1番悲しそうに笑ったー…