膝の辺りがヒリヒリするから擦りむいたかなぁ。

床に寝そべりながらも、そんな呑気なことを考える。



「なにしてんの?」


突然、頭上から低い声が聞こえた。

ゆっくり声の主をみると_



「!な、渚先輩!?」


あからさまに嫌そうに眉間に皺を寄せてまじまじと私を見ている。


な、なんでここに…?

そうだ。ここ2年生の階だった。


てっきりそんなこと忘れてたよ。



「やっぱ鈍臭いわ、お前」


「あの……手を…」


「あ?」


「な、なんでもないデス」



やっぱり先輩が手を貸してくれる訳ないよね。

期待した私が馬鹿だったぁ。


手に力を込めて自力で立ち上がろうとしたとき…



ふわっ_

身体が浮いた。

正しくは持ち上げられて立たされた。