「すすすいませんっ」


「早く席につけー」



多分真っ赤であろう顔は本当に熱くて茹でタコ状態。


ササっと席に座ると、「あははっあんた最高」って1個前の席_小島梓に笑われた。



通称アズ。
入学したての頃に、席が前後だったことから親しくなったいわば「親友」的存在。

アズはサバサバ系お姉さんで、面倒見が良い。たまに辛辣な言葉を言うけどその裏にはいつも優しさがあって、芯のある良い子。


前髪ナシの黒髪を軽く巻いた髪型がなにより似合ってるクールビューティー。




「どうせまた結城先輩のことでも考えてたんでしょ?」


「あはは…バレた?」


「やっぱり。どうせ『いい迷惑』って追い払われるんだからやめとけばいいのに」



そう言うわけにはいかないんだなぁ…。

絶対に渚先輩と結ばれたいの!


きっと、もうこんな出会いなんてないと思うから。


ちなみにアズは私のことは全部知ってる。


来栖家の御令嬢ってことも、親が勝手に決めた許婚がいることもなにもかも。