ずっと迷惑だって思ってた。

365日毎日のように付きまとってくる女


『来栖莉愛』


2年のクラス替えが終わってちょっと経った頃、俺の目の前に突然現れた女。



急に「一目惚れした」とか変なこというし、「付き合ってください」ってぶっ飛んだこと言うしでウザいって思ってた。



俺にとってはただの後輩であって女としては全然見れてない。



アイツの気持ちは十分にわかってる。

分かってるけど、俺は好きじゃねぇんだ。



あの日、秋のプールに飛び込んで叫んだ台詞。




「しばらくは先輩のこと好きなので諦めるまでは距離取ります!…もし諦めることができたらそのときは『1番可愛い後輩』として仲良くさせてください…!」



目に涙をいっぱい溜めて、最大級に笑ったアイツの姿がずっと頭から離れない。



「はぁ……俺なにしてんだろ」



ボー…と外の景色を見ながら考え事をしていると、クラスの奴らはとっくに帰っていて俺1人だった。