君ありて幸福 【完】



お酒を注文する楓也さんと昴さん。

そんな二人を見ながら隣の千鶴さんに視線を移す。



「あの、千鶴さん・・・」

「何だ?」

「本当にいいんですか?」

「ああ」

「・・・ありがとうございます」


そう言ったあたしに、「何でお前が礼を言うんだよ」と軽く笑った。


「・・・・・・!」


その優しい笑みに、うるさいくらいドキドキ心臓が高鳴った。

初めて見る、初めてあたしに向けられた、優しい笑顔。

綺麗だとかかっこいいとか、色々感じたけれど、一番は嬉しいってこと。



「暑いか?」

「いえ・・・」


不思議そうにあたしの顔を覗き込む千鶴さんに、更に胸が鳴り、顔が熱くなった。



どうしちゃったんだろう、あたし・・・。