君ありて幸福 【完】


「え···」

声のした方を見ればそこには整ってはいるけれど鋭い瞳が印象的な昴さんがあしの方を睨むように見ていた。


棘のある声に、馬鹿にしたような言い方。

昴さんの第一印象は怖いだった。



「ガキ」

ベッと舌を出した昴さん。
それはふざけているんじゃなくて本当に馬鹿にした感じで。


「な、何なんですかっ···?」

気の弱いあたしもさすがにムッときた。

だから小さな勇気を出してそう言い返したけれど昴さんはただ馬鹿にしたように笑うだけ。



「···っあの、」

「昴」


カチンときたあたしが何か言ってやろうとした瞬間、千鶴さんが口を開いた。