千鶴さんに手首を掴まれてビックリしたと同時に触れられた箇所が熱くなる。
さっきも掴まれたけどさっきはそれ以上にパニックだったけど、だけど今は掴まれた手首が熱い。
「あの···」
「まだここにいろ」
「え···?」
「お前に、興味がある」
「···は···?」
真剣な瞳でそう言った千鶴さん。
あたしの頭は真っ白だった。
「あたしに、きょ、興味···?」
「ああ。だからここにいろ」
それだけを言って手を離した千鶴さんはテーブルに置いてあったグラスに入っていたカラフルな液体を飲んだ。
「······」
何を言ってるんだこの人。
あたしに興味なんておかしい。
そう思うのに、どこかあたしの心臓はドキドキとうるさくて、だけど千鶴さんの何の温度もない表情に心がザワザワしてチクッともした。



